いい株を見つける


1995年頃まで、辰野の吉江清朗氏の交配した種子を蒔いて、夏でも咲き続けて茎腐れなどにかかりにくい株を親として、交配選抜してまいりました。この当時は花径18センチくらいに咲けば最大級でした。 チェルシーショウでのラングドン出展の球根ベゴニアを見ても花径だけならそれほど驚きませんでしたが、花弁の重ねの重量感と重ねの多さからくるノイズの少ない円満な花形には私の品種は足もとにも及ばないことを思い知らされました、当時は何とかこれらの栄養系品種を手に入れて交配に使いたいと言うのが一番の願いでした。
この頃、掛川の加茂花菖蒲園が花菖蒲の時期に球根ベゴニアも展示していることを話してくれた人がいたもので、早速、掛川の加茂元照氏にお会いして導入経過などを教えていただきましたことから、次年度には多数の栄養系名称付品種が届き、新たな交配親となって、美しさの追求は少しずつですが進んできました。
こうして、いろいろ交配したり、海外の種子を蒔いたりしてみると、確かに実生そのままでは暑さや病気にに弱い株が多かったのですが、名称付の品種物は大体丈夫なものが多くて、長い年月の幾多の試練を乗り越えて残ってきたものだけが有名品種になれるのだなと感心しました。
結局、作りやすく、かつ美しい株を見つけて、長年作って性質を確かめて品種として確立することが球根ベゴニアの将来には大切なことだと思って私は実践しています。
ただ、強い弱いも、私は全国的栽培をしていないので相対的なものとなります、カルフォルニアの品種が以外と夏に花飛びしたり冬の低日照時に良く咲けないなど実際に経験していますので、あくまで筑波を基準にしていることをお含みください。

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